一年の行事を大切にする家庭、そうでない家庭、様々でしょうが我が家の場合、後者の家庭だったように思う。
例えば七五三はまるで無視の家だったので、未だにどういうものなのか全く分かっていない。厄年の話題も出たことがない。
特に日本の行事、習慣にとことん疎い家なのだ。
両親は間違いなく日本生まれの日本人だし、古くからある習慣の中で育ったはずだが私たち子供には無縁の家庭だった。
そんな我が家の一大イベントはクリスマス。
この年になっても忘れられない思い出が2つある。
サンタさんに手紙を書いたらツリーの下に返事が来たことがある。
明らかに日本人が書く文字じゃなかった。それは外国人が書く日本語の文字だった。ほんとにサンタさんが書いてくれたのか?
私の推理はこうだ。
外国人の友人が多い両親が頼んで書いてもらったものではないか。
大人になって聞いてみたが「そんなことあったっけ?」とぼんやりした回答しか得られなかった。
それともう一つ、クリスマスよりも数日早くサンタさんから手紙が届いたことがあった。そこにはこう書かれていた。
「クリスマスはとても忙しいので、早いですがプレゼントを
届けました。隣の部屋の押し入れを開けてみてください」
妹と声を上げて隣の部屋に走っていき、急いで押し入れを開けた。きれいな包装紙に包まれた私へのプレゼントが、畳まれた布団の上に鎮座していた。あの時の興奮、喜びは忘れられない。たとえ畳んだ布団の上にあったとしても。
クリスマスを控えて、願うこと。
誰かに優しくしたり小さな幸せを感じる機会を、この地球上の全員に与えられますように。
最後まで読んでくださった皆様、ありがとうございます。
クリスマスブレンドあしたのひかりかがやけりを淹れるゆっくりとした時間。てっちゃんの心のこもった焙煎をじっくり味わう静かなひととき。そんな時間を忙しい12月でもみちみち種やを愛する皆様が持てますように。
ニッカ
ニッカのプロフィール
まっすぐ前を見てない人。だいたい下を見てるかUFO探してるか。ある日友達からニカウと名付けられ、その友達と結婚して現在に至る。