10月9日(土)やかんの営業前に、フラワーショップ四季さんと一緒に、北24条商店街のお祭りに参加して窯焼きピザを販売しました。珈琲豆の焙煎が本業ですがピザ焼きとの出逢いは、帯広のピッツァリア飛行船さんの受注生産「キャンプ用本格ピザ窯」がきっかけでした。
ピザは窯が命、という店主の言葉に完全に心を奪われて購入を決めたのですが、まさか自分がピザを焼いて販売するなんて、プロのピザ職人さんに恐れ多いというか、とんでもないと思っていたし、まずは自分がピザを焼いて楽しむ、そういう時間を作りたいと思ったのが始まりでした。
ところが、ピザ焼きを知れば知るほど興味が湧いて、まるで珈琲の焙煎に出逢ったときのように、どんどんどんどんのめり込んでく自分が居て、なんというか、わくわくが止まらなくなっていました。そして、すぐにうまくいかないところが悔しくて、またのめり込む。笑
失敗をする度に、理由を調べてまた挑戦する、本当に失敗の繰り返し。でも、それもまた趣味の範囲なら楽しかったのですが、いつも、やかんbyみちみち種やの間借り営業でお世話になっている、フラワーショップ四季の社長さんが、商店街のお祭りに飲食で出店したいと前々から言っていたことを思い出して、あの店先でピザを焼いたら楽しそう!と気楽な気持ちで出店を決めたのですが、そこからが地獄でした。
何度も試作をするのですが、いざお客さまにお金を頂くということを考えると、知識も経験も到底そんなレベルに達していない自分だったので、次から次へと壁にぶつかりました。
お祭りの1週間前の最終確認のときも大失敗して、たゆうに「こんなんじゃお祭りなんかで出せないよ!」と、ひとつひとつ細かく、的確なダメ出しを受けてがっくり。でもそのおかげで、負けず嫌いスイッチが入って、ひとつひとつ失敗の理由をひたすら検証しました。
生地の配合、こねかた、硬さ、発酵時間、窯の温め方、薪と炭の使い方、焼き加減などなど、条件をひとつひとつ確かめる。でも、経験が浅いから確信が持てません。お祭りの前日、前々日は生地の仕込みもあったし、不安で眠れなくて、少し寝れたと思ったら、仕込んだ生地が当日になってゴムボールのように全く伸びない、という悪夢のような大失敗の夢を見たりして、お腹の調子も最悪、、、そんな中で当時を迎えたのでした。
当日は、朝9時からピザ窯に火を入れて、2時間ほどかけてピザを焼ける500℃まで温度を上げながら、生地と具材の準備をしました。心配して駆けつけてくれた飲食店の経験豊富な信頼する人たちに、不安に思っていたことを確認して「大丈夫」の言葉でホッとしました。11時から焼き始める予定でしたが、ピザ窯を温める薪の香りに「美味しそう〜、なんだろ〜」と自然と人が集まってきて、あっという間に、予約がいっぱい!
フラワーショップ四季の社長さんが売り子をしてくれて、店内の接客やオーダーはたゆうが全て引き受けてくれて、あとはひたすらピザを焼くだけ。1枚目のピザがイメージに近い焼き上がりで、少しホッとして、緊張もいつの間にか楽しさに変わり、あっという間に終了時間に。気がつけば、用意したピザ生地も完売!手伝ってもらった四季さんの分と自分たちのピザを最後に焼いて食べたときの、なんとも言えない美味しさは忘れません!
みなさん美味しいと言ってくれて、本当に嬉しかったし、ホッとしました。そして、一番嬉しかったのは、これまでの失敗したマズイピザをたくさん食べてくれた、たゆうの「今までで一番美味しい!」の一言でした。
珈琲の焙煎も、ピザも、共通点は「焼くこと」。薪で、炭で、焼くことが好きなんだと改めて思いました。ピザ焼の勉強しながら、思い出していたのは、珈琲焙煎に興味を持ち始めた時のことでした。見るもの聞くこと、ぐんぐんと吸収していくこの感じと、自分の趣味を越えて、誰かに食べてもらうまでの葛藤。始まりの気持ち、原動力を改めて感じることができて、また、いつもの珈琲焙煎にもすごく刺激になったことは間違いないです。
焙煎も、ピザ焼も、努力を惜しまず日々精進していきたいと思います!
次はいつピザを焼くのか(笑)
珈琲焙煎職人のピザ焼奮闘記、お楽しみに〜
(てっぺい)